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March 24, 2006

電気用品安全法(PSE法)

やはり、これにふれない訳にはいかない。

PSEが付かない製品は、早い話、捨てろということになろうかと思う。
こんな電気メーカーのための法が、こそっと出来てしまうことも、非常に腹立たしい。

世間では「こんなの知らなかった!」、「もう少し猶予期間があれば」等の意見があるが、いずれはこれを受け入れてもいいような風潮がある。

しかし、古い製品を使い続けている者としては、納得できない。
レコードからカセットに音源を移し、またそこからMDに移動し、そんなことをしているうち、音も劣化する。
いっそのこと、そのままの音源をとっておく方が、音もいいし、手間もかからない。
しかしカセットデッキが壊れたため、中古のデッキを買い替えたり(これはまだ新品もあるが)、8mmビデオデッキが壊れた時は、もう中古に頼るしかない。
今はまだ中古品が流通しているが、これらが無くなるということになる。

また今、法を改正して一部緩和しようとしているが、少なくとも完動品しか流通しないだろう。
所謂ジャンク品といわれる、壊れた電気製品は完全になくなる。
今完動品でも、いずれ壊れ、修理したくても、メーカーに部品はない。
現在では、このジャンク品を買ってきて、部品をとることができるが、これからジャンク品がなくなれば、もうお終いです。
ビンテージは適応外にするとかいっても、壊れたらそれで修理もできなくなる。

話がそれるが、技術の進歩って、いいことなのか、非常に疑問に思う。
音源の観点から見てみよう。
一番最初のレコード。
これは電気を使わない。
SPやEP,LPなどになるにしたがい、電気を必要とするようになった。
しかし、これらは電気を使わない方法でも、再生できる。
そして1980年代、CDに代わった。
半永久的とかいうくせに、アルミ蒸着面を錆びさせたり、傷をつけるともうお終い。
すでに使い物にならなくなったCDもあるだろう。
傷を付けたレコードは、プチッというか、最悪その部分をスキップして、次の溝に針を落とせば聴くことができる。
CDはそれどころか、読み込みすらできず、一部の音すら聴くことなく、ハードから吐き出されてしまう。

DVDにしても、同じことが言えるのではないか?
我が家では8mmビデオを、DVDに移すことを諦め、最初に書いたようにデッキを買い替えた。
そして逆行するように、VHSにダビングしたりもしている。

少なくとも、120年前のレコードを聴くことができるのは確かで、いまの音源は何が主流か良く知らないが、CDやDVDやipodが、120年後に聴けるかどうか疑問、というか、無理でしょう。

もとい、PSE法は、音源が残っていても、再生する電気製品どんどん捨てろ、と。
音源は文化そのものであり、文化を再生するハードが無くなっていくが、ハード自体も、また文化でもある。

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