December 30, 2013

映画:ある精肉店のはなし

TBSラジオの永六輔だったか久米宏だったかの番組で、だいぶ前に表題の映画があることを知った。
精肉店が自分で牛を育てて、自分で屠畜して、自分の店で売っているのだと言う、そんなこと出来るのか?でなんだかよく分からない話だった。

131228
とりあえず上映館のポレポレ東中野で見てきた。
ポレポレ東中野は東中野駅からも見えるロケーションで、前にオオカミの映画で来たことがあった。

映画は冒頭2年ほど前の屠畜見学会の模様からだが、牛の頭にハンマーを打ち、穴の空いたところにワイヤーを入れるのが一瞬見える。
あとは淡々と精肉にして行く作業が続く。

監督はこれをきっかけに映画にすることを決めたようだ。

自分で屠畜というのがよく分からなかったが、屠畜場は大阪貝塚市営の屠畜場で、精肉店は歩いて牛を連れて行けるほどの近所。
しかし市営の屠畜場で専門の係がいる訳でなく、自分で屠畜するというのは初めて知った。

残念ながらこの市営屠畜場が2012年に閉鎖になるということで、精肉店では自前の牛を育てるのは既に辞めていて、牛を仕入れてきて屠畜する様になった。

自分で屠畜すると、一頭分の肉や皮などすべてのものを利用するので、無駄がなくなる。

肉の話と平行して、屠畜等にかかわる人々の差別の話も出てくる。
なんで差別されるのか理解できないが、そういう風潮があって苦労もあったようです。


閉鎖になる最後の日の市営屠畜場に、精肉店から最後の牛が歩いてくる。
体重は655kg。
ハンマーを打つ、倒れない、もう一回打つ、どっとくずれる。
皮をはぎ、吊るして衛生的に解体処理をすすめる。
腸を出す、腸間膜を外す、肝臓を出す、第一胃を出す、心臓もみえる。
胴を電動ノコで半身にする。

あとはもう自分の店で小分けして、商品として売るのみです。

映画は北出精肉店の姉兄弟を中心に、人間模様を映し出している。
ちょっと過酷な作業である屠畜をものともしない、明るい家族が描かれていて、ほのぼのとしてくる。

牛をさばく映像がかなり出てくるが、自分も食べる肉なので、こうして出来る肉に感謝するきっかけになる映画だと思う。

ただ7代続いた精肉店のありかたが、貝塚市立屠畜場の閉鎖で変わってしまうのが残念だった。

この映画はリピーター特権があって、一度見た半券があれば次回は900円でもう一度見られる。
来月も上映されそうなので、また行こうかと思う。

詳しくは公式ページ


監督は纐纈あやさんですが、はなぶさと読むようです。
映画が終わったら監督から挨拶がありました。
話題にして拡散しますが、ここを見ている人はあまりいませんから、貢献できていません。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

September 07, 2011

コングの復讐

1109
キング・コングにはなんとなく魅かれている。
いままでにオリジナルから1976年版や2006年版などDVDを入手してます。
今回ハードオフで標題のが300円で売られてたんで即入手。
実はまだ見てないのですが・・

コングの島に再び訪れたら、息子がいたらしい。
元祖コングの続編らしく、同じメンバーで作った映画のようです。
早く見なくっちゃ。


過去のキングコング


January 05, 2006 キングコング


January 06, 2006 キング・コング 2


January 07, 2006 キング・コング 歯


January 15, 2007 キングコング  1976年版

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 07, 2010

ホテル ルワンダ

20100707
上映には行けませんでしたが、DVDレンタルがありました。

ちょっと軽々としたコメントは出来ませんですね。
ツチ族とフツ族の争いということに集約されるのでしょうが、そう簡単にはいかないところがなんとも。
主役のホテル支配人はフツ族で、奥さんはツチ族だったり、フツ族でもツチ族をかばったりしたら問答無用だったり・・

国連軍も引いてしまって、なんだかなと思いましたが、重要場面で出て来てくれると、UNやるじゃんなんて。
日本も参加してくれると嬉しいかな、なんて思います。

武器関連の話ですが、銃なんかではなく、中国から輸入した斧は10セントなんだけど、これが一番活躍する武器だし、恐ろしい武器です。

関係ないけど最近流行のブブゼラも中国製で、元値は3円程だというのをどこかで見ましたが、これなんかは一応命には害がないからいいんだろうけど、アフリカ大陸で中国人は活躍し過ぎな気がする。

ホームページは予告が見られるのみですがどうぞ。
こちら


| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 23, 2009

映画館スタッフらが選ぶ「映画館大賞」

映画館スタッフが選ぶ、映画賞というのが出来たようです。
本屋さんスタッフが選ぶ、本の賞みたいのもありましたね。
あたびしが見た映画もいくつか入っていたので、書き出してみました。

順位 題名
39 いのちの食べかた
59 ブタがいた教室
85 ヤング@ハート
112 スウィーニー・トッド(これはビデオで見たのだった)
216 迷子の警察音楽隊

みたかったけど見られなかったのは、
127 ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動

今見たいのは、キングコーン。
こちら


「映画館大賞」
こちら

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 06, 2008

迷子の警察音楽隊

081105
MOVIX橋本で、先日の「ブタがいた〜」を見た後、時間もあったのでもう一本見ようかなと思い、表題の『迷子の警察音楽隊』というのを見てみました。

題名を見た感じ、『ブラス !』(1996)という映画を思い出しました。
演奏も堪能できる映画でした。

で、この映画、迷子になりながら、あちこちで警察音楽隊が演奏するのではないか?などと勝手に妄想し、その演奏が見られると思い、音楽映画だと思い込んだのでした。

公式ページから引用
  ************
文化交流のため、イスラエルにやって来たエジプトのアレキサンドリア警察音楽隊のメンバー8人。しかし、空港には迎えもなく、団長(サッソン・ガーベイ)は自力で目的地を目指すが、なぜか別の街に到着してしまう。途方に暮れる彼らを、カフェの店主ディナ(ロニ・エルカベッツ)がホームステイさせてくれることになり……。
  ************
ホームステイ先での、様々な人間模様?が見所でした。
音楽を期待してはいけなかったようです。

また、私はエジプトとイスラエルの関係を認識していないので、そういうところの面白さが受け取れていないのかもしれません。
それでも面白さはふつふつと湧いて来ますね。
見て損は無い映画だと思います。

画像は昨日と同じですが、「ブタがいた〜」の左隣のポスターが『迷子の警察音楽隊』です。

リンク:
公式英語HP
マルチプレックスシアターMOVIX


ブラスは音楽映画としても良かったですね。
ブラス !(1996)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 05, 2008

『ブタがいた教室』

081105

●MOVIX橋本で見てきた映画です。
子豚を一年飼った後、その肉を食べようという企画を、新任の先生が小学6年の児童に提案します。
しかし、時とともにペットと化していくブタはPちゃんと呼ばれ、もう家族同然になっていきます。
これを食べるか、他にどのような選択が有るか、実話で過去にドキュメントされた話題の映画化です。

最初のうち、映画なりのわざとらしさがあり、やはりドキュメントじゃないからこの程度か、と思っていたが、中盤から児童たちの議論が始まると、なかなか見せられてしまいました。

ネタバレになるので、詳しくは書けないが、そもそもブタは自分たちで解体できないのではないか。
自分で命を奪って食べる教育なら、ニワトリあたりが妥当ではないのだろうかと思いました。

で、これは実際あった話なので、15年ほど前の当事者の現在を取材、その辺をドキュメンタリーにして映画の後編につなげたらどうかな、と思いました。

リンク:
ブタがいた教室公式HP
マルチプレックスシアターMOVIX


前に書いた関連事項。
January 26, 2007私の牛がハンバーガーになるまで

February 02, 2007
ドキュメント屠場

February 17, 2007
世界屠畜紀行
June 17, 2007お肉の情報館
June 18, 2007お肉の情報館 -2-

November 12, 2007
いのちの食べかた
DVDが出たようです。

November 15, 2007
OUR DAYLY BREAD〜KING CORN

| | Comments (4) | TrackBack (0)

October 16, 2008

『オオカミの護符』

0810160
ドキュメンタリー映画です。
小さい映画館でしか上映されないようなので、ホームページで上映情報を探ってポレポレ東中野で見て来ました。

川崎市の農家の蔵の扉に、オオカミの護符が貼ってあります。
大口真神と書いてあり、オオカミの絵が描いてある。
青梅市の御嶽山神社の護符です。
オオカミは、イノシシやシカから作物を守ってくれる神のような存在で、転じてまた盗難や火災予防などのご利益もあると伝えられているそうです。
この川崎市の農家は、近隣農家と「講」を作って、御嶽山神社に参っている。
オオカミの護符を出している神社は多い。
おいぬ様とかヤマイヌとか呼ばれていたオオカミは、絶滅して100年程たつが、現在でもオオカミの護符のご利益に預かる人々は多いようです。

作品中、代参とかお炊き上げとか太占(ふとまに)というようななじみの無い言葉や、また「講」というのもまだ存続していることに感銘しました。
青梅市の御嶽山神社の参道にある宿も、こういった伝統に支えられていたとは知りませんでした。
先の川崎市の講は、250年の歴史があるそうです。

081016
ポレポレ東中野の階段には、作品中に出て来た場面の写真が展示されていました。
画像の右端のは太占(ふとまに)といわれるもので、シカの肩甲骨を焼いて作物の出来を占うもの。
たしか25種類くらいの農作物の出来を占うもので、関連して気候の変動も分ってしまうということでした。
現在も行われていることなんですね。

映画は、昨年の山梨県立博物館の特別展、「オオカミがいた山」を映像化したような感じがします。
パンフレットも公式のは無くて、上記の特別展のパンフを置いていました。¥300
昨年の山梨県立博物館の話は、こちら参照してください。
March 15, 2007
March 16, 2007

リンク:
ささらプロダクション
ポレポレ東中野

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 15, 2007

OUR DAYLY BREAD〜KING CORN

前回「いのちの食べかた」について書きましたが、原題は「OUR DAYLY BREAD」といいます。
日本語だと「日々の糧」となるそうだ。
前回に書きましたが、機械の一部のように黙々と働く労働者の方々に感情移入しました。
労働者の「日々の糧」は、このような労働から得られているのだ。

映画ではグロい動物の処理シーンや、野菜の収穫シーンなどがランダムに短編で出てくる。
野菜のシーンになるとホットする、という感想がネットでみられたが、野菜のシーンも実は恐ろしい。
なぜ防毒マスクをして何か液体を散布しているのか?水じゃないだろう。

タイムリーなことに、13日にTBSラジオで「キングコーン」という映画を紹介していました。

アメリカの農産物第1位のコーンの裏話の映画。
作付け面積が日本の領土面積に匹敵する。
遺伝子組み換えで、作付け中には虫も鳥もこれを食べない。
売値は安いが、莫大な助成金が出ること。
草を食べるはずの牛が、これを飼料として食べる。
残ったものはコーンシロップになる。
またコーン油になる。
故に、マックでランチすると、バーガーの肉はコーンからなり、コーラの甘みはコーンシロップ、ポテトフライはコーン油であげるというように、すべてコーンから成り立ち、食べている私はコーンで作られているということになるそうだ。

放送はポッドキャストでまだ聞くことが出来ます。
 TBSラジオから、番組名「ストリーム」へ行き、[Podcasting HP]へ。
バックナンバーの2007年11月をクリック、11/13(火)コラムの花道を探し、「11/13(火)コラムの花道×町山智浩をダウンロード」というところが目的地です。
ここが11月分かな?
キングコーンはここですが、英語なのでよくわかりません。
日本で上映されるようだったら見に行きたいですね。

| | Comments (0)

November 12, 2007

いのちの食べかた

071112
肉や魚・野菜などの作られ方を、淡々とドキュメントした映画です。
ナレーションもテロップ説明も無く、映像と音(効果音やBGMではない実際の音)で表現しただけなので、何をしているか分らない場面もあるかもしれない。

しかしそれは野菜の収穫だったり、農薬の散布だったり、また豚の種付け、乳牛の搾乳、ひよこの製造、ブロイラー、牛豚のと畜、その他食料がどのように作られるのか次第にわかる。
食べ物を食べるときは、食材となる生き物がどのように生まれて死に、私たちのところへやってくるのかを再認識させてくれます。

これら食材の生産は、圧倒的大規模産業で機械化がもの凄い。
豚のおなかを裂くのも、サケのおなかを裂き内蔵をバキュームするのも、なにもかも自動で進んで行く。
機械で出来ないところは人間が補うが、機械はある程度の速度で動き続けるので、人間はもはや機械の一部のようだ。

機械が導入できない作業は、それこそ日銭で働く労働者を集め、人海戦術で作物を収穫するが、雇い主は労働者がさぼってないかを双眼鏡で監視する。

映像に出てくる人たちは、毎日毎日機械の一部のように、ひよこに薬剤を注入したり、豚の去勢をしたり、豚の足を切断し続けしているわけで、労働者に感情移入してしまいました。

場面場面で労働者の食事風景がある。
ある人はつまらなそうに、ある人たちは談笑しながらだが、休んでいるときは機械の一部から解放され人間に戻り、ホッとしている瞬間のように思えた。

食材になってくれる「いきもの」と、それを提供してくれている労働者の皆さんに、感謝したくなる映画です。

映像だけなのはやはり説明不足なので、パンフレット(¥600)を手に入れた方がよろしいと思います。

公式HPはこちら

上映館「シアター・イメージフォーラム

シアター・イメージフォーラムでは、「世界屠畜紀行」著者の内澤旬子さんの原画が数点展示されていましたが、混雑で見ている人はあまりいなかったような。

画像は入り口にあったガチャポンの食材ストラップでブタ。
内蔵が見えるのかと思ったら、肉の部位が色分けされていました。
(にんげんは食材ではありません)
********************
関連の話題は以下にありますので、ぜひどうぞ、と言いたいのですが、直接リンクしてなくてすみませんね。
左上のArchivesをクリックで、関連の月を探すとか、右下のサイト内検索で探すとかしてください。

January 26, 2007
私の牛がハンバーガーになるまで
February 02, 2007
ドキュメント屠場
February 17, 2007
世界屠畜紀行
June 17, 2007
お肉の情報館
June 18, 2007
お肉の情報館 -2-

| | Comments (0)

January 15, 2007

キングコング  1976年版

昨年見た映画の、キングコング関連は、いくつも書いたようです。
昨年の1月の項を見て下さい。

January 05, 2006 キングコング
January 06, 2006 キング・コング 2
January 07, 2006 キング・コング 歯
January 11, 2006 キング・コング -フィギュア-
January 14, 2006 Bye bye blackbird

1976年版のキングコングはDVDが出てなく、ビデオでも近所のレンタルやさんにも無くてがっかりしていた所ですが、とうとう出ました。
表紙はこちらですが、これはどうも前の1933年版のイメージ画像のようですね。

ということで、いつものように裏表紙の画像を載せておきます。
で、1976年版は、オリジナルとは少しストーリーが違えてあるようです。
070115

裏表紙からもうかがえるように、ちょっといろっぽい作り方です。
場面によっては、美女と野獣が、もだえキャラとスケベおやじ、に見える所が幾つもあります。
あくまでも私の感想ですが・・

それでも最後の場面では、ちょっと感情移入してしまいますね。
すんなり終わってしまったのが肩透かしかな。

心臓の音、どこかで聞き覚えがあるなぁ。

| | Comments (1)